ウォと中国人妻とハイズ

　これもいいね。

　よく年末年始に新聞広告などで日帰りバスツアーの募集がある。毎年その広告が入っているのを目にしていて、一度は行ってみようという思いが長くあったがのだが、今回初めて参加することにした。

　まず、結論からいって、私にとっては不快な旅、行くべきでなかった旅だった。やっぱり、他人と密閉されたバスで移動するというのが一番不快さを感じさせた。宝宝を連れていたというのがあって例外にもあたるかもしれないが、それを差し置いてもやっぱり他人と一緒に不自由に移動する時間がなんとも不愉快だった。禁煙でカラオケがないというのは知っていたが、最後に見たくもない映画を２時間以上も大音量で流されたのも大きなマイナス面である。各シートにイヤフォンがあって見たい人だけが視聴できるような設備があるのでもなく、皆が皆強制的に見せられることには納得できないし生理的に耐えられないほどだった。

　日帰りツアーの目的地は伊勢であった。これに関しては驚きと再認識の旅といえるだろう。初めて参ったしこれほど巨大な神社があるとは正直知らなかった。

　とにかく、バスツアーは懲り懲りだ。宝宝の席代３５００円を惜しんだから移動中大変さが増したということはあるのかもしれないが、やっぱり移動は大変なことは改めて知っておくべきだろう。

　宝宝も当然我々とバスツアーに参加した。伊勢までバスで移動だ。わたしは不自由な密閉空間で死にそうな思いで帰宅した思いなのだが、宝宝にとっても大きな試練であったと思う。まず、トイレの心配。寒い時期でトイレコントロールは大人でも容易でない。しかもいつでも近くにトイレがあるのではなくある一定時間は排泄が禁止されている状況である。にもかかわらず、最年少で参加した宝宝は間違いなくＭＶＰだ。トイレコントロールはパーフェクトだったし、他人に迷惑をかけることはなかった。もちろん、バス内で泣いたり大声を上げたりそんなことも皆無だった。少し愚図愚図したがそれはバス内に限らずいつでもあることでほぼ完ぺきにバスツアーを無事に終えることができたといえる。
　
　伊勢神宮もほぼ自分の足で歩いて最後のおかげ横丁で豆腐アイスを食べて散策中に睡魔に襲われるまで頑張り続けた。眠るのが嫌いな宝宝は疲れたとか眠いとか普段でもあまり言わないが当時もぶっ倒れるまで私たち大人についてきた。宝宝が眠ったので１時間以上時間があったが急いでバスに戻り小一時間ほどバス内で寝ることができた。

　帰りはさすがに渋滞にはまって予定より１時間以上遅れて到着したが、最後自家用車で帰宅途中スシローによって３人で３０００円分食べた。宝宝は卵とエビの二皿だけ。

　因みにバスツアーは、焼きカキの食べ放題だったのだが、宝宝は一個も食べなかった。わたしもほとんど満足していないし、こんなもののために窮屈なバスで来たことを後悔するほど不平不満ありで、はっきりいっておいしさはない。老婆は概ね満足していりような感じであった。驚いたのはカキを開ける速さがすごかった。前に座った人が一個割る間に老婆は３個は割って私に渡して食べさせてくれた。だから焼きガキというものは十分にちゃんと食べられたと思うのだけど、別にどってことない海産物だ。わたしはスシローで寿司食べた方がいい。

　いや、とにかく感心したのは宝宝の能力である。３歳でよく我慢して親の勝手につきあってくれたものである。小学生はいたが、幼児の参加は見なかった。それはそうだろう。トイレはないし、じっとしておかねばならないし、歌ったりゲームもやりにくい。
　
　個人的にバスの日帰りツアーに参加したことに後悔したが、宝宝にとってはチャレンジングなことだったろうからそこから何かを得てくれたと思う。