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患者は医者に贈り物は必要か FT中国語版2012年04月15日

 少し前にもFT中国版の中国人女性医師によるコラムを紹介したが、また現代中国の贈答文化、ひいては、医療や医師の考え方について知りうる内容のものが出たので紹介したい。(2012年4月13日)

 内容的には、以前かかれたものに少し補足される程度で、医者は患者からの感謝の意である贈り物は中国の伝統文化だからうけとっても問題ないが、金銭(紅包)は(縄之以法)だめですよということだ。つまり、この医師は今後もやましいことなく贈り物は受け取り続けるということになる。この女医自身も贈り物をするたとえの中でハガキを送るという例をだしたりしているが、それと贈り物とは明白に別物だと思えるような悪い例をだしたりして問題を曖昧化しているといわざるをえない。最後には、中国以外の国々では、病院の規則で「どんな贈り物も受け取ってはならない」という規則があることを紹介しつつ、当然ながら、外国の医者は最高の報酬と社会的地位が与えられており、贈り物や金銭のために自分の前途ある将来を台無しにする必要はない。例えば、米国の医者は数十万ドルから百万ドルの報酬を得ているが、中国の医師の待遇は悪く、数万元から数十万元であり、罰則の効果は低いと述べている。つまり、報酬が諸外国に比べて低い中国では、金銭授受を含めた贈答文化は正当化され医療現場でも今後も受け継がれ行われるということを現役の医師が認めている面白い内容である。
 この女医は職業上の関係に過ぎない患者と医師との関係においてまでも中国の人情社会である贈答文化をもちだして正当化しようとしており公平な社会の構築とか差別や不平等の根絶などの発想は全くないようである。